京都百景 Vol.82 祇園東(ぎおんひがし)
観光客が多すぎて問題になっている祇園甲部と比べて、写真の「観亀稲荷神社」(かんきさん)を中心にしっとりと佇む姿が印象的です。
鳥居と瑞垣の朱に女性の着物の白が映えて、まず視線が引きつけられます。 |
京都百景 Vol.81 龍安寺石庭 年配のご夫婦がパンフを見ながら話し合っています。右奥の石組がお二人を見守っているように思え、暑さを忘れて写し撮った一枚です。
(以下文様文化講師 山口貴実代先生より) ご夫婦の顔が写っていないので、パンフレットを見る後ろ姿に、石庭を存分に味わっている様子の表情が想像され、画面に心豊かな世界が広がります。 |
京都百景 Vol.80 保津川下り
亀岡市から名勝嵐山まで16kmに及ぶ保津川下りは、年間を通じて約30万人の観光客が訪れて自然美とスリルを満喫しています。 明治から続く世界的に有名な保津川下りを絶やさぬようにしたいものです。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 左下と右上の岩にはさまれた急流は、船頭さんの腕の見せ場なのでしょう。 |
京都百景 Vol.79 京都タワー雨情 約60年前に完成した京都タワーは奇抜なデザインで当時は市民から歓迎されませんでした。そのあと向かい側に完成した京都駅ビルも奇抜過ぎてやはり歓迎されなかったのです。
このような京都タワーを見たことはないのに、なぜか懐かしいような慕わしさを覚えました。 |
京都百景 Vol.78 京都市京セラ美術館
この美術館は現存する日本の公立美術館では最も古い建築ですが、創建当時の和洋が融合した意匠を最大限保存しながら現代的なデザインを加えて新しい美術館として生まれ変わりました。
(以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 東山の景観と一体になった美術館の魅力が伝わってきます。 |
京都百景 Vol.77 神泉苑
神泉苑は二条城の南に隣接する平安京造営時に設けられた禁苑です。歴代天皇が行幸され、歌や花、音楽を楽しみ、名前が御池通の由来にもなりました。 ( 以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 橋の向こうから静御前が現れ、舞って、また去ってゆく…動く絵巻のような、幻想の情景が見えました。 静御前が神泉苑で舞った折に、源義経に見初められたと伝わるのを思い出しました。彼女にとって、異界への運命の場所だったのだろうかと思いを馳せました。 |
京都百景 Vol.76 三条大橋
清雅にして艶をも感じさせる作品だと思いました。 |
京都百景 Vol.75 古式追儺式(吉田神社) 3日の節分を前に、京都の「表鬼門」とされる吉田神社で2日の夕刻から3匹の鬼を追い払う古式追儺(ついな)式が行われます。
鬼や方相氏のアップではなく、神職さんや楽人など行事に奉仕する方々、遠景の見物人も写っていることで、臨場感があります。 |
京都百景 Vol.74 雪化粧(上賀茂神社) 待望の雪が降りました。 いかにも新年らしい神社の「朱と白」でありながら、とても新鮮な印象を受けました。 |
京都百景Vol.73 護摩祈祷(広隆寺) ( 以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 写真の中で、動いていないはずの炎が燃え盛り、瞬時に姿を変え、動いて見えます。 |
京都百景Vol.72 愛宕念仏寺の秋 ( 以下文様文化講師 山口貴実代先生より) |
京都百景Vol.71 〇△□ 乃庭(建仁寺) 京都の古刹で祇園にある建仁寺。 皆さんもぜひ訪ねて、じっくりと観察して下さいね。 ( 以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 「地水火」が庭という形に象徴されていることに、禅宗と庭の結びつきの奥深さを感じます。このような見立ても、日本の美意識の一つなのだと教えられます。 |
京都百景Vol.70 雲龍院(泉涌寺別院) 雲龍院は御寺泉涌寺の別格本山で応安5年(1372年)後光厳天皇が建立し、ご本尊に藤原時代の作とされる薬師如来坐像が安置されています。皇室ゆかりの寺らしく、霊明殿前の石灯篭は砂で描かれた菊の御紋の上に立っています。 そのまま撮ったのでは記録写真にしかならないのでズーミングしたところ、菊花紋の文様に動きが表現できました。 ( 以下文様文化講師 山口貴実代先生より)動きを持たない菊花紋が、ズーミングによって動いて見えることに驚きました。 菊の花弁が放射状に画面の外へ、力強く走りながらどこまでも広がってゆくような不思議な感覚にとらわれました。 |
京都百景Vol.69 芸妓(先斗町 市笑) 芸妓は「げいぎ」ではなく京都では「げいこ」と読みます。 ( 以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 「凛」」と「艶」とを合わせ持つ市笑さんの魅力が、お辞儀という所作に捉えられた作品だと感じます。芸事にたゆまぬ修練を積んでいるからこそ、凛と艶がともに備わるのでしょうか。 |
京都百景Vol.68 北山杉 早春にはスギ花粉で悩む杉ですが、さすが全国でも有名な北山杉の佇まいは見事ですね。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 北山杉は見上げる写真が多いので、見下ろした構図に意表をつかれました。 |
京都百景Vol.67 緑雨の金閣寺 教室実習で梅雨入りした金閣寺(鹿苑寺)を訪ねました。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 定番の眺めではない、もう一つの金閣の発見でした。 |
京都百景Vol.66 無鄰菴の玄関 無鄰菴(むりんあん)は、明治中期に造営された山縣有朋(やまがたありとも)の別荘。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 玄関の建具という「額縁」の囲みによって、外の緑に視線が集中し、また緑も引き立てられていると感じます。樹木ごとに異なる緑の色のハーモニーの美しさも、気持ちを穏やかにしてくれます。 |
京都百景Vol.65 舞楽(御香宮神社) 先日「伏見の御香水」で知られる御香宮神社の例祭で舞楽「迦陵頻(かりょうびん)」を見ることができました。上半身は美しい女性の姿・下半身は鳥の姿をしており、新緑の中で実に色鮮やかな舞でした。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 柔らかな緑が、迦陵頻の極彩色の羽を引き立てているだけでなく、緑が周辺を隠していることで、視線が羽に集中する効果を生んでいると思います。 緑が暈(ぼ)かされているのも幻想的な雰囲気をかもして、迦陵頻の棲む極楽浄土にいざなわれます。 |
京都百景Vol.64 国宝 唐門(西本願寺) 西本願寺の国宝・唐門が一昨年に約40年ぶりに修復され、桃山時代を象徴する華麗な姿を無料で拝観できます。黒漆を塗り直したほか、極彩色の麒麟(きりん)や唐獅子など107点の彫刻は、X線分析で顔料を特定して彩色したとのこと。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 桃山という時代の夢を象徴するような絢爛豪華で威厳ある唐門の魅力を、ワイドレンズでの接写が最大限に引き出していると感じます。唐破風の中央に羽を広げる金色の鳳凰をはじめ、獅子や麒麟の一体ごとのポーズも迫力を持って迫り、まさに見飽きません。 撮影技術が被写体から何を引き出すかは、写真を見る楽しみの一つです。 |
京都百景Vol.63 乙女椿(東本願寺門前) 椿の中では最も可憐で華やかなのに桜の脇でひっそりと咲いている乙女椿。花言葉は「控えめな美」「控えめな愛」。八重咲きの豪華な花ですが、可憐なピンク色で香りがない乙女椿の特徴が、控えめな美人をイメージさせるようです。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 桜に目を奪われる季節、深紅の椿には目を留めますが、見過ごしがちな乙女椿の魅力を発見しました。確かに八重咲きで華やかなのに、あでやかさよりも可憐で控え目な美しさに、舞妓さんを連想します。 |
京都百景Vol.62 紅白の共演 私が住んでいる北区上賀茂で写した最近の雪です。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 冬と春のゆきあいを象徴するような白と紅の響きあう美しさを感じます。 |
京都百景Vol.61 先斗町 先斗町(ぽんとちょう)という名前の由来は、ポルトガル語(ponta(先)、ponto(点))に由来すると言われます。四条から入った狭い道が三条の手前で行き止まるのでなるほどと理解できます。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 画面の半分近くを占める手前の提灯から、奥の小さな提灯へと視線が導かれ、この通りをもっと先まで歩いてゆきたくなります。 |
京都百景Vol.60 東寺を翔ける 風が冷たい教室実習の日。強い風で雲がどんどん動いていく様を写そうとしていたら突然の飛来。一枚しか写せませんでしたが金堂の屋根と群舞が重なり、動きのあるカットになりました。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 長いコロナ禍で停滞しがちであった私たちを、ともに飛翔しようと、希望に向かっていざなっているような力強い躍動感を覚えます。 |
京都百景Vol.59 平和の鳳凰 鳳凰と言えば宇治の平等院が有名ですがこれは同じ宇治でも京阪宇治駅前にある別の鳳凰です。寺院では拝観時間しか撮影できないのと左右の鳳凰の距離があるため一対(いっつい)で撮影できませんがこちらはいつでも自由に撮影できます。
(以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 古代中国の書物に、私たちを不老不死の仙境に導いてくれるとも、天下太平の世に姿を表すとも記された鳳凰。雲に動きが感じられ、鳳凰の羽と呼応して、今にも羽ばたき飛び立って天を翔そうです。 |
京都百景Vol.58 同志社のXmas 同志社大学今出川キャンパスで恒例の点灯式がありました。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 女性たちが後ろ姿で写されているので表情に気を取られることがなく、彼女たちの心の内の敬虔な清らかな祈りがこちらの心にも真っ直ぐに伝わってくるかのように感じます。クリスマス本来の静かな深い感動満ちる作品です。 |
京都百景Vol.57 犬矢来(いぬやらい)の陰影 犬は家の壁に沿って歩く習性があり、時たま放尿します。それを嫌った京都人の智恵から生まれたのが「犬矢来」です。また、泥棒除けや雨水の跳ね返りを防ぐなどの実用性があり、京の町に風情と潤いを与えています。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 実用の知恵である犬矢来が光と陰で捉えられた時、俄然、豊かな表情を見せて、風景の脇役から主役になっているのを発見しました。 |
京都百景Vol.56 五節の舞 宮中で執り行われる神事「五節の舞(ごせちのまい)」。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 五節の舞は、吉野で琴を弾く天武天皇の前に舞い降りた天女の再現…という伝説が思い起こされる夢幻の世界です。 自分が木陰に身を隠して、天女の舞うこの世ならぬ夢幻の世界を見つめているような心地になりました。 |
京都百景Vol.55 まぼろしの遊廓 今夏に太秦映画村で開催された「夏ノ夜遊ビ」から太夫道中を撮影。京都には島原や五條楽園などの遊郭跡が残されていますが、この写真のような夜の太夫道中は見られません。さすがは映画村だけに女優さんが太夫に扮し、道中のショーも見事な進行で、満員のお客さんは大喜び。 夏休みの最後を飾る「夏の夜の夢」でした。
昔の夜は今より闇が深く、このような行灯やろうそくの灯りは太夫に艶なる陰翳をもたらしたことでしょう。繊細な光と陰によって太夫の美しさが捉えられていて、古の島原にタイムスリップしたかのような心地になりました。 |
京都百景Vol.54 盛夏の寺町通 寺町通は天正18年、豊臣秀吉による京都改造によって、通りの東側に寺院が集められたことからこの名前になりました。南北に長い道路ですが丸太町通から御池通の真中あたりで撮影しました。車の運転が好きなので、オープンカーやいろいろなバイクを乗りましたが、この女性が乗る自転車が一番涼しそうです。
画面の左右と上端を囲んでいる暗い部分が、女性に視線を集中させ、女性に射す光と路上の照り返しを強調して、暑さが伝わってきます。 暑さの盛りを、お洒落な日傘と爽やかな出で立ちで、自転車で寺町通をゆく女性に、盛夏を涼しげにかわす京都の市井の人々の心映えをも写し撮っているように感じます。 |
京都百景Vol.53 真夏の(?)植物園 この写真は熱中症警戒アラートが出る前に撮ったもので、噴水の向こうにカップルが手を取り合って歩いています。今日も気温が38度越えになる予報ですが、仲の良い二人なら手を握り合うのも平気なのでしょうね。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 噴水の水のきらめきが、手を取り合う二人の気持ちを象徴しているかのようです。噴水越しに二人を捉えたことで、夏の日の二人のときめきが、水のきらめきによって表現されているように感じます。 暑い夏の日を、幸せな気分にしてくれるような作品です。 |
京都百景Vol.52 雨の清水坂(きよみずざか) 清水寺へ通じる観光名所である清水坂。コロナ以前の観光公害が叫ばれていた頃の雨の光景です。傘の色で外国人がいかに多いかお分かりいただけると思います。 6月10日から外国人観光客の受け入れが再開されました。人数やビザなどの制限をしているとはいえ団体旅行者から感染者が出た場合でも旅行が継続できるとか、日本の旅行医療保険加入の義務付けもできていません。 この時期に敢えて外国人を増やさなくても信頼できる日本人観光客だけでいいのではないかと思うのですがいかがでしょうか? (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 遠からずこの光景が戻ってくるのでしょうか。 観光客を受け入れつつ、京都がどうあるべきなのか、京都に暮らす人々に、広くは日本人に問題提起している写真と感じます。 |
京都百景Vol.51 妙満寺【花の間】 先月に続き「花咲く京都キャンペーン」で妙満寺本坊が【花の間】になりました。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 今、花の間に足を踏み入れ、自分の視線と導線がどう動くか分かるような臨場感があります。まず手前の花の豪華さに「わあ、きれい…」と釘付けになり、次に正面の花とともに、「庭の緑もすばらしそう」と、目が正面に向かいます。 正面の花を見た後は、右手の縁側に出てしばし庭園の緑を眺め、左側の部屋に入り、また花の間に戻って花を鑑賞したり、外の緑に目を遊ばせたりして、花と緑の癒やしに浸るのではないかと思います。 二つの花、二つの部屋、襖や障子、緑の庭…と沢山の要素が入っていながら、視線が心地良く誘導されて、まさに花と緑の交響となっていることに、深い味わいを感じます。 |
京都百景Vol.50 隨心院【花の間】 「花咲く京都キャンペーン」で能の間が花で満開の【花の間】になりました。 5月22日まで開催されています。撮影は自由とのことですのでぜひ!
随心院にゆかりの小野小町に捧げる花の間だと思いました。 |
京都百景Vol.49 京都御苑の春 京都御苑の春は 梅→桃→桜の順にやってきます。 後方は京都御所の建礼門で大学へ毎日通った通学路。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 梅や桜ではなく、見落としがちな桃への着眼が、とても新鮮です。 |
京都百景Vol.48 祈祷 (城南宮) 梅が咲き始めた境内で祈祷する巫女(みこ)さんを撮影。巫女は神楽を舞うなどの神事を行い、神職の補佐的な役割を行いますがいつも巫女装束の清楚な美しさに目を奪われます。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 祈る所作の美しさ、祈る装束の美しさを通して、祈ることそのものの美しさに気づかせてくれる作品です。 |
京都百景Vol.47 コロナ禍前の節分 (聖護院) コロナが蔓延する前年に聖護院で撮影。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 女性のインパクトある表情と、赤鬼が驚いて一瞬我を忘れたかのように見える姿に、思わず大笑いしました。 |
京都百景Vol.46 雪の詩仙堂 詩仙堂は、江戸時代の文人・石川丈山が晩年を過ごした山荘跡です。
(以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 障子の白と雪の白が映えあっているだけでなく、様々な明るさの白の交響という印象を受けました。 |
京都百景Vol.45 雪の貴船神社
貴船神社の写真は石段の途中から上を仰ぎ見る構図なので、上から見下ろした構図にとても驚きました。 |
京都百景Vol.44 寒夜の大覚寺 紅葉も散り果て境内に人はいなくなりました。
画面を囲む暗さから、やや明るさのある空へ、そして灯りへと、明暗の変化が視線を誘導すると同時に画面を引き締めていると思います。 |
京都百景Vol.43 燃ゆる秋 智積院(ちしゃくいん)は真言宗智山派の総本山です。いわゆる観光寺院ではないのでいつでも静かに参拝できます。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 紅葉と人工的な色彩の取り合わせは似合わないと思っていましたが、この写真を拝見して、それは思い込みだと気づきました。 |
京都百景Vol.42 銀閣寺庭園 ガイドブックでよく見る構図ですが、モノクロームでしかもハイコントラストで表現しました。手前から砂紋の銀沙灘を広く取り入れ、中ほどに白く光るのが向月台、そして右奥に見えるのが国宝の銀閣(観音殿)です。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) モノクロ、ハイコントラストで砂紋が強調されているので、現代人から見ても斬新な銀砂灘のデザイン性の魅力を再発見できました。 |
京都百景Vol.41 老舗旅館の庭先 文豪が定宿にしていたというだけに屋内の設えはすばらしいものです。それは庭先もしかり。その文豪が曰く「目立たないこと、変わらないことは古い都のいいところだ」・・ずっと守って行きたいものです。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 沓脱石と、そこに置かれた庭下駄は、目に端正に映るだけでなく、下駄を履いたら、自然と無理なく地面に足を下ろせるであろうと想像できます。 「目立たないこと、変わらないこと」が目的なのではなく、私たちの心を真に満たすものを大切に考える時、「目立たないこと、変わらないこと」を守ってゆく意味が見えてくるのではないでしょうか。 |
京都百景Vol.40 秋の夕暮れ 残照の八坂の塔と十五夜の月(今年は9月21日)。塔は西を向いて撮影していますが月は空に向かって望遠レンズで少し大きく写しています。これほど晴れ渡ることは珍しく、やはり空気が澄む秋の空です。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 残照のグラデーションの息をのむような美しさ、黒い八坂の塔の昼とは別の神々しさと、月の神秘が調和して感じられるのは、月が望遠で大きく写されているからだろうと思います。 撮影のテクニックによって、ある意味で真実でない写し方をすることで、見る者の心情を揺さぶり、表現としての真実になる面白さを感じます。 |
京都百景Vol.39 南禅寺伽藍 南禅寺境内を近くのホテルから撮影。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 南禅寺は何度か拝観し、広大な寺院のイメージを持っていましたが、この写真で伽藍のスケールの大きさを初めて実感し、圧倒されました。 被写体をどこから、どの範囲で捉えるかによって、被写体はより豊かなメッセージを発するのだと感じる写真です。 |
京都百景Vol.38 京の地蔵盆(嵯峨野) 「愛宕古道街道灯し」は嵯峨の地蔵盆を盛り上げるため、いまから二十年ほど前に古い町並みが残る街道沿いに、行灯の灯りを点したのがはじまりです。この写真は昔から「嵯峨の地蔵盆」として紹介される地蔵さんです。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 路面の幻想的な輝きに、光の癒しを感じます。画面の左右に闇の深さが映し出されていることで、光が一層輝きを増して、見る者を惹きつけるのでしょう。 どしゃ降りの雨に濡れても、この風景に出会えた人の心は、切なくも、どんなにか浄化され満ち足りたのではないかと想像します。 |
京都百景Vol.37 京の夏(朝顔) 出町商店街で撮影。朝の爽やかな風で揺らぐ朝顔です。涼風を感じるようスローシャッターで花をブラしました。背景の白いレースと明るい緑で涼しさを感じていただければ・・。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 朝顔が風に揺らぐ姿は新鮮で、一瞬の涼を感じました。画面の中で風が動きます。このような朝顔の風景は、京都以外にもあると思いますが、朝顔の揺らぎが「京の・・」なのだと思います。 |
京都百景Vol.36 京の七夕(旧暦) 北野天満宮で撮影。華麗さはありませんが竹林の中にたたずむ素朴さがまさに「京の七夕」ではないでしょうか。 (文様文化講師 山口貴実代先生より) 一面の竹の緑に、短冊が僅か数枚だからこそ、その色が映えて、控え目でありながら見る者の心を動かす、まさに「京の七夕」と感じます。華やかなものだけではなく、本質を残して他を削ぎ落とした、磨き抜かれた素朴も京都らしさ、都ぶりなのだと気づかされます。 琳派のような余情の内に、竹の神秘に託された短冊の願いに心を遊ばせ、「京の七夕」をこのように捉えた目は「京の写真家」なのだとの思いを強くしました。 |
京都百景Vol.35 大原雨情 「平家物語」の謡曲「大原御幸」に謡われている大原の里。壇ノ浦で平家が滅びた後、寂光院に隠棲された建礼門院を後白河法皇が訪ねた時もこのような雨模様だったのでしょうか。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) |
京都百景Vol.34 秀麗 比叡 百人一首で有名な慈円は、比叡山について「世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山(みやま)をぞいふ」と崇め詠みました。伝教大師最澄が延暦寺を開創して1,200年になりますがほとんど変わらぬ姿を見せています。 日本で最初の国立国際会議場ができた左京区宝ヶ池から見た朝の情景です。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) |
京都百景 vol.33 早乙女(さおとめ) 雅楽の調べと巫女の踊りに合わせて早乙女が苗を植えていきます。 この八坂神社御田祭(おんださい)は京丹波町尾長野の八坂神社で始められました。 赤襷(あかだすき)に白手拭(しろてぬぐい)、そして菅笠という鮮やかな着物姿がご神田に映えます。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 早乙女の装束の赤と白から、田植えが単なる農作業ではなく、神聖な行事であることが伝わってきます。そして、同じ装束の三人が並んで赤と白が繰り返されていることで、この場の厳かな雰囲気が、より強調されているように思えます。さらに三人の動作が少しずつ異なっていて、田植えのリズム感があり、画面に動きを感じました。 これも京都百景の中の一景と思うと、京都の文化の多様性を感じるとともに、多様性を貫く雅、艶に気付かされます。 |
京都百景 vol.32 「老舗のウインドー」 聖護院付近で見かけた老舗のウィンドー。花車、ツツジが咲く庭園、赤い鼻緒の草履などが可愛く並べてあります。それがなんと畳の上に展示されているのです。窓辺に今の季節を凝縮して見せるセンスがこのお店の風格を物語っています。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 春には自然界の春と、人の心と手で創られた春があり、二つの春の響き合いを楽しみ、春の情趣を育んできたように感じます。赤、桃色、緑がいかにも春らしい色彩で丸盆の中で映えています。 小さなお盆の中ゆえに、自分も小さく小さくなって、春のユートピアに迷い込んでしまい、まさに小宇宙を感じました。 |
京都百景 vol.31 「花祭り」 花祭りは釈迦の誕生を祝う仏教行事で毎年4月8日に行われます。 ちょうど一年前、二尊院では花に囲まれたお釈迦さまが疫病退散を願ってやさしく佇んでおられました。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 誕生仏も後ろ姿とは!! 意表を突かれました。 何と愛らしいのでしょうか!! お顔が見えないからこそ「見ることができる」愛らしさ、姿態の初々しい清らかさ…お釈迦様は、本当にこんなふうにお生まれになったのだと、思いました。 |
京都百景 vol.30 「隨心院の春」 桜に見えますがこれは遅咲きの「はねず梅」。 遅咲きですので3月いっぱい楽しむことができます。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 随心院のはねず梅は、その温かなはねず色で、見る者を包み込んでくれるかのようです。無彩色、端正で硬質な屋根瓦の緊張感と常緑樹が背景にあることで、梅の変化に富んだ色彩と枝振りが引き立って、はねず梅の優しく明るい魅力が伝わってきます。 |
京都百景 vol.29 「祇園の春」 一昨年に撮影会でお邪魔した祇園の津田楼で撮影しました。 障子と躍動感あふれる花との組み合わせがこの店のセンスの良さを物語ります。 (以下文様文化講師 山口貴実代先生より) 直線で構成されている障子に、正に躍動感ある花を取り合わせるセンス。そして赤と白の潔さにも、目を奪われました。丸窓には控え目な生け花を合わせたくなるのが定番でしょうが、大胆な取り合わせに破綻がなく、京都の美意識のもう一つの顔を知る思いです。 窓が花を生かし、花が窓を生かして創られた空間の美が、この写真から生き生きと感じられます。 |
京都百景 vol.28 「雪の竹林」
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京都百景 vol.27 「上賀茂神社」
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京都百景 vol.26 年賀 令和3年元旦
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京都百景 vol.25 「京都府立植物園」
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京都百景 vol.24 「大原女(おはらめ)」
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京都百景vol.23 「月」
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京都百景vol.22
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京都百景 Vol.21
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京都百景 Vol.20
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京都百景 Vol.19
新緑と花の競演If05-263天龍寺の庭から方丈に向かって撮影。柱間で画面を引き締めました。方丈に座って庭を見るのとは趣が異なります。人が写っていませんが、数年前に多くの観光客の切れ目をねらって写したのが懐かしく思い出されます。訪れる人がいない今年もツツジの花は咲き誇っていることでしょう。 |
京都百景 Vol.18
萌えるmd24
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京都百景 Vol.17
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京都百景 Vol.16
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京都百景 Vol.15
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京都百景 Vol.14
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京都百景 Vol.13
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京都百景 Vol.12
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京都百景 Vol.11
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京都百景 Vol.10
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京都百景 Vol.09
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京都百景 Vol.08
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京都百景 Vol.07
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京都百景 Vol.06
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京都百景 Vol.05
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京都百景 Vol.04
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京都百景 Vol.03
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京都百景 Vol.02
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京都百景 Vol.01
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