T  取材記 イタリア編(3) まただまされた!(in Napoli

取材記 イタリア編(3) まただまされた!

イタリア人は人が良いのか悪いのか・・。ローマでいろいろ考えさせられましたが、だまされる方も悪いのだと自分に言い聞かせてナポリに向かいました。

ナポリに着いた翌日、西暦79年のヴェスヴィオ火山の噴火で一夜にして火山灰に埋もれた古代都市ポンペイをこの目で見たくて日帰りで出かけました。

                

背後にそびえる山がヴェスヴィオ火山です。この遺跡では今も発掘が進んでおり最近では儀式用の馬車や人骨、装飾品などが見つかっています。一瞬にして5メートルの深さに町全体を飲み込んだ火砕流が、当時の人々の生活をそのままの状態で保存したといわれています。

長く都があった京都でも地下工事をするたびに千年前の遺構などが見つかったというニュースを耳にします。さらに千年もさかのぼるポンペイでは在りし日の古代都市に思いを馳せて胸が躍りますよね。

さて、次の日からナポリを撮影。ここはイタリアの大女優ソフィア・ローレンが幼少期を過ごした町です。ひょっとして彼女に出会えるのではないかとあり得ないことを考えながら下町のスパッカナポリを歩きます。洗濯物がはためく路地に入るとこれぞイタリア!映画のワンシーンを思い出しました。

さらに南へ。王宮を撮影した後、ナポリ民謡にも歌われ広く知られるサンタルチア地区にやって来ました。12世紀にノルマン人が建造した卵城に近いメインストリートには高級ホテルが並んでいます。きれいな町並みは落ち着いたたたずまいを見せています。ところが一筋裏通りに入ると独特の下町ムードが漂います。少し治安が悪そうですが、いかにもお金を持ってなさそうな日本人は無事にホテルへ帰ることができました。

翌日はドゥオーモや国立考古学博物館などを巡って中央駅まで来たので明日予定しているギリシャ行きのフェリーの切符を購入しようと旅行社へ。いくら最短距離でも10時間以上かかるので船中泊が必要です。カメラ機材の盗難を考えて料金は高くなりますが一等の個室を予約しました。部屋にカギが付いているかまで確認して・・

さて翌日、港まで電車を乗り継いで夕刻にやっとフェリーに乗船。部屋に案内されてビックリ。多人数が一緒に寝る2等の大部屋なんです。あわてて係員にチケットを見せて個室の料金を払っているのだと訴えましたが「ダメだ!追加料金を払え」とのこと。前日に、印字されている日時と名前は確認したのですがその他はすべてイタリア語で分かりづらく、ちゃんと旅行社で買ったのだからと安心していたのが間違いでした。

その旅行社に電話をしたくてももう出港してしまったのでどうしようもありません。ローマでの教訓はどこへやら・・ナポリでまただまされたのです。

今回は信頼できるはずの旅行社が個室の追加料金を取りながら安い大部屋のチケットを発券するという日本では考えられない詐欺の被害に遭ったわけです。

今さらまた追加料金を払う気にもなれずに仕方なく大部屋でカメラバッグに腕を通してスーツケースには足を乗せて横になりました。しかし、盗難の不安よりも旅行社への怒りでほとんど寝られませんでした。

はて、イタリア人は人が良いのか悪いのか、再び自問しましたが結論はやはりだまされる方が悪い、でした。トホホ・・