日本医師会の中川俊男会長は13日の記者会見で、「医療崩壊が進行している」と強調した。しかし日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国で人口当たりのベッド数が最も多く、一般病床と感染症病床で計約90万床に上るが、コロナ患者用のベッドは1月6日時点で2万7650床(約3%)にとどまっている。そして中川会長は、民間病院は規模が小さく、医師数や病棟も少ないため、コロナ専用病棟などの対応が難しいと指摘する。
一方、元厚生労働省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は「日本は民間医療機関が多く、コロナ患者を受け入れると赤字を懸念する医療機関があるためだ」と指摘する。そして、今優先すべきなのは、重症患者を感染者が少ない地域に搬送する仕組み作りや、宅食業者による高齢者家庭への配膳などの施策だとも提言。さらに、「医師会は、約5兆円の政府の予備費から、民間病院の損失補填(ほてん)ができるような規制緩和を求めたり、基金の立ち上げなどに取り組むべきなのに何もしていない」と主張する。
この木村盛世氏の発言にもう少し耳を傾けてみよう。
新型コロナウイルスの致死性は他のコロナウイルス、SARSやMERSといった毒性の強いウイルスと比べて明らかに低い。季節性インフルエンザの日本国内の年間死亡者数1万人に対し、新型コロナは12月中旬時点で約3100人。新型コロナが他の感染症と比べて怖くないことは明白です。
今、医療崩壊寸前だというアナウンスがされています。新型コロナ患者を受け入れる病床が足りなくなりつつあるといわれていますが、この程度の感染者数で医療崩壊が懸念されること自体がおかしい。
毒性の強くない新型コロナを、「指定感染症2類相当(一部I類)」という高いレベルに指定してしまったため、新型コロナ患者の受け入れ病院が限定されてしまった。これが医療崩壊危機の実態です。指定感染症2類相当から、季節性インフルエンザと同じ5類にまで引き下げれば、受け入れられる病床は一気に増え、危機は解消するはずです。(週刊ポスト2021年1月15・22日号)
一年前の「随想第101回 テレビウィルス」で書いたようにテレビや新聞は新型コロナを大げさに危険視し、今度は医療崩壊だと煽っています。日本人のほとんどは蜜を避け、マスクと手洗い、うがいなどを励行して感染率を低く保つ努力を重ねているのです。
あとは一日も早い医療体制の整備を待つのみです。
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