10年以上前に出版された本だが、いたく感動したのでご紹介したい。
清水馨八郎氏(1919〜2015)の「裏切りの世界史」(祥伝社刊)に収められた次の文章である。
二十一世紀最初のオリンピック(注・2004年)が、アテネで開催された。五輪は平和の祭典である。五輪の敵は戦争である。戦後日本は六十年(注・70年)、一度も戦争をしていない。先進国の多くは何十回と戦争を続けている。クーベルタンが国家平和賞を決めておいてくれたら、日本は毎回金メダルである。今回日本がメダルラッシュに湧いたのは、金メダルをとった個人努力だけでなく、これを支える、国家の平和力、経済力、文化力の裾野の広い総合力の結果とみるべきだ。
初代神武天皇の建国の理想が「八紘一宇」である。これはクーベルタンの五輪精神とまったく一致している。しかも二千六百年も前にかかげられている。日本は太古から平和大国だったのである。二十一世紀の世界平和も、世界は日本に期待しているのである。(後略)
以上がこの本の「あとがき」で氏が述べていることである。
毎年8月になると平和と日本に思いを馳せてしまうが、戦後の奇妙な「自虐史観」から早く脱却して「わが国は太古から平和大国だった」と胸を張って生きたいものである。
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