第20回  フォトコンテスト


「環境フォトコンテスト」に多数応募いただき、ありがとうございました。厳正なる審査の結果入選者が決まり、展覧会が開催されますのでぜひ見に来て下さい。

昨年秋の「ハロウィンフォトコンテスト」に続いて審査を担当し、色々感じたことがあるので最初に私の審査への臨み方を話したいと思います。

まず審査に当たって「厳正、公平」を徹底するようにしています。そのために必ず事務局の人に立ち会ってもらい、第三者の目で見届けてもらいます。そして主催者側からも審査に加わっていただきます。主催者の意向を尊重したいのと「独断と偏見」を防止するためです。

そして審査に入る前に応募者が規定を守っているかを確認します。事務局でもチェックはしているようですが主催者側ですのでどうしても甘くなる。ですから審査する側で再度チェックします。その段階で規定違反の応募作品は外すこともあります。

その次にやっと作品に目を通す訳ですが作者名はもちろん伏せられています。これはできるだけ最終審査まで守り通します。聞いた名前が私の教室の受講生なんかですと少なからず影響を受けますので…。

ところが今回の審査で困ったことがおきました。ひとつは受講生のAさんが教室に出品した作品を応募したこと。もうひとつはBさんが「これを応募したいのですが…」と言って私にその作品を見せたことです。映像は文字よりも記憶に残るので審査の間中気になりました。受講生の方にもぜひ入選していただきたいのですが「厳正・公平」が頭からはなれず、こうして作者がわかっているような場合はかえって厳しくなるかも…。前者のAさんの事例はやむを得ないとしても後者のBさんのようなケースはこれからは防止したいと思います。

ただし、これは私が審査をする場合であってそうでない時は今まで通り作品を見せていただいて応募の相談に応じますのでご安心のほどを…。

審査中の私は鬼のようにコワイとよく言われます。熱心に応募された作品の中からベストを選ぶのですからこちらも真剣勝負!なのです。撮影中と同様、いやそれ以上に無口となり、たまにボツボツと厳しい言葉で話している自分に驚くことがあるほどです。

さぁ最終審査まで来てやっと作者名を聞きます。最高賞を始め、晴れの入選者とは裏腹に今回も多くの受講生の方が選に洩れました。せっかく応募して下さったのに…と申し訳なく思い、そして「審査」という非情な作業を恨んでみたりもします。

でも「審査」とは創造作業なのだ、ということがわかってきました。審査員が応募者の個々の作品を構成してもっと大きな「作品」を創る作業なのです。今回の場合は主催者が意図した「なくそう環境破壊」という写真展を構成するための方法として「審査」が必要だったわけです。

ですから今回残念な結果に終わった人も審査員を恨んだりせず(審査員はもっとつらい思いをしています)、次の機会には自分も一体になって素晴らしい展覧会にするのだ、という意気込みで参加してくださるようお願いします。

さいごにコンテスト必勝法を(内緒で)お教えしましょう。

(1)応募規定をよく読んで厳守する(これが意外と守られていない)

(2)規定用紙に必要事項をていねいに記入する(雑に書いてあると熱意がないと受け取られる)

(3)題名にはこだわる(「無題」「作品A」などでは作者の意図が伝わらない)

(4)テーマの分析…主催者がどのような写真を求めているのか? 2回目以降のコンテストなら前回までの入選作品に目を通す。類似作はまずダメ。また展覧会場がどのようなところか、でも主催者の意図がつかめる。

(5)その他…明るい写真が歓迎される場合と少々暗くても力強い写真が歓迎される場合があります。今回のようなテーマでは後者の写真が上位を占めました。また、ストレートな表現が有利な場合や技巧を弄した表現の方が有利な場合などなど…。

以上のことを十分検討した上で「これでどうだ!」という作品を応募してください。

それでは入選の朗報をお待ちしています。(次へ)