翌朝ガイドのKさんとホテルの玄関を出ようとしたら昨日とは違った衣装で女性が立っています。いやはやこれも見事。今日は
「シャオ(笑って)!」と言ったら緊張しながらも微笑んでくれました。
石林へは昆明から南東へ約100km。クルマで2時間かかります。Kさんが気を遣ってカセットテープを差し込みました。流れてきたのはテレサ・テン。「雨の空港
デッキにたたずみ 見送るあなた 見えなくなるわ…」日本びいきの彼が気持ちよさそうに歌い出すと私も懐かしさで一緒に歌います。はじめはそれで楽しかったのですがずっとそうしていると来てまだ2日目だというのに
思いは遠く日本へ…
「着きましたよ。」 ハッと目を覚ますと周りは巨岩だらけ。石林に来たんだな…まず全体が見渡せる獅子亭へ急ぎます。初めての観光地ではまずこうして展望することにしています。太陽はどこから昇りどこに沈むか、撮影ポイントはどこにあるかを素早くチェックするためです。左端に望峰亭が見えるのが分かりますか?
これはサニ族のガイドたちです。サニ族は石林周辺に住む少数民族でイ族の一派ですが言葉や衣装が少し異なります
面白いのは次の写真。観光客にサニ族の衣装をレンタルして変身させ記念写真を撮る、京都のヘンシン舞妓のようなもの。プロのガイドはカメラを向けるとイヤな顔をしたりお金を要求しますがヘンシン者は大喜びで何枚も撮らせてくれてポーズの要求にも応じてくれました。左の写真は顔に陰ができて表情が見にくいですね。こういう時は真ん中の写真のように日陰に入って撮ると相手も眩しくなく生き生きした表情が写せます
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美しい花が咲いていたので手前に大 きく取り入れ、バックに石林のシンボルを。こうした前景の処理が風景写真では大きなウエイトを占めます。 |
次は石林の中心にあり最もにぎわう望峰亭の写真です。日本から持参した印刷物を手にこの写真が写せる場所を探したらかなり危険な所だと分かりました。20年ほど前に日本の山で滑落して命拾いして以来、危険な撮影は二度としないと誓ったのです(が、今までに何度その誓いを破ったことでしょう)。恐怖で座り込んでいる私の目の前でKさんが岩の上をピョンピョン飛び越えていきます。それも悔しかったけれどもっと悔しいのはその印刷物を撮影したカメラマンが存在すること。クソッ、意地でKさんの後を追いました。巨岩の上にコワゴワ立ち緊張でカメラブレしているかもしれないので多い目に撮影して、Kさんに助けてもらいながら無事生還。その時誓いました。もう二度としないと…。1枚の写真のウラにはこのようなカメラマンの苦労があるのです。
昆明市内へ帰ってから曇華寺を訪ねました。多くの庭園が回廊で結ばれており、若いカップルが肩を寄せ合って観賞している所をツーショット(右)
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(左)境内の片隅ではお年寄りたちがお茶を楽しんでいました。日本ならコーヒーブレイクといった所でしょうがこの国ではやはり「お茶」のようです。 |
さあ昆明は今夜が最後。Kさんとのお別れ会も兼ねて有名レストランへ。入口ではご覧のように少数民族の衣装で迎えてくれます
店内で席に着き、お茶を注がれて驚きました。見て下さい、やかんと湯飲み茶碗の距離を…。
アツアツのお茶をこの距離からほとんどこぼさずに入れるのです。体操競技やサーカスが得意な国民だけにさすが!と感心。そして一番手前が名物料理の「過橋米線」。あったかいスープに具と米麺を入れて食べるのですがこの麺が歯ごたえがあってうまい!冷えたビールがまたうまい!感動の連続の一夜でしたが2日間のKさんの尽力に「謝謝」。ホテルまで送ってもらった後再会を誓って別れたのでした。
明日からいよいよ奥地へ入ります。最初の訪問地の中甸(ジョンディアン)には日本語はもちろん英語のガイドもいないとか。不安ですが何とかなるでしょう…(?)。
つづく
協力 日本エアーシステム
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